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お口の健康を守る知識news

歯周病の予防について

 歯科の二大疾患は、う蝕(むし歯)と歯周病です。歯周病とは、歯の周囲の組織の病気で歯を支える組織が破壊されてしてしまい、歯を失う大きな原因となっています。歯周病はデンタルプラークといわれる細菌群によって引き起こされますが、その進行度や頻度などには個人差があり、その人の病原菌に対する抵抗力によって異なるとされています。また、年齢によって、歯の部位によって、細菌の種類と数、唾液や歯の性質など、いくつかの要因が重なったときに歯や歯周組織の病気にかかります。

 歯周病予防の中心は、原因であるプラークの増殖を抑制し、悪影響を及ぼさない程度にいつもコントロールしておくことです。そのためには、患者さん自身が行うパーソナル・プラークコントロール(ホームケア)とともに、専門家によるプロフェッショナル・プラークコントロールが必要となります。

 歯周病は身体の抵抗力とのバランスに関連しているため、パーソナル・プラークコントロールを怠ると、細菌の活動が活発になり、発症してしまいます。

 歯科の予防も、成人病の予防と同じように毎日実践してはじめて効果があります。「自分の健康は自分で守る」という意識を大切にすると同時に、専門的なメインテナンスを定期的に受けることをすすめます。

 さてここで歯周病のメカニズムについて詳しく説明していきましょう。


 歯周病の発症は歯周病原因菌の感染によって起こります。口の中には300〜400種類の細菌が存在しており、その中で特に歯周病原因菌となる特異な細菌は、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス、プロフィロモナス・ジンジバリス、プレボテーラ・インテルメディア、スピロヘータなどがあります。これらの菌が歯肉溝(歯と歯ぐきの境目)の中で異常増殖すると歯周ポケットが形成され、歯にくっついていた歯ぐきが歯からはがされ、続いて歯ぐきが腫れ、歯を支えているあごの骨の破壊を起こさせます。歯周病にかかった歯周組織を健康な組織にするためには、先ほどの細菌の数を減らさなければなりません。

 成人の歯周病は、30歳ぐらいから自覚症状もなく発症し、適切な処置を行わない限り加齢とともに進行します。また、「喫煙」「糖尿病」「薬の服用」「不適切な歯の治療」などのリスクファクター(危険因子)が重なった場合、特に、ダブル、トリプルと重なるほど、急激に悪化します。その他、10代の人にも見られる全身的な影響によると考えられる早期発現型歯周病があります。歯周病の治療を進めるためには、危険因子の要因を減らさなければ治療しても再発を繰り返すことになるでしょう。
 ところで、昔から“歯の寿命は女性のほうが短い”と言われています。これはなぜでしょうか?女性の口腔健康状態は、生涯の様々なステージに応じて変化しています。思春期・更年期身体の成長・老化に伴う変化の時期や月経、妊娠期間などは身体だけでなく、口腔内の状態も変化します。これは、女性ホルモンの分泌量の変化が口腔内の血液循環やプラーク中の細菌などを敏感に反応させるためだと言われています。特に妊娠期間は赤ちゃんへの影響も考えて、予防指導を受けたほうが良いでしょう。

 ここで、歯周病治療を行う上で知っておいて頂きたい4つの原則を挙げることにします。

@ 大部分の口腔疾患は細菌が原因の感染症である。

A 歯周病は慢性疾患であり、コントロールはできるが、完全な治癒は難しい。

B 歯周ポケットから歯石、プラークを完全に除去することは、組織・細菌学的には不可能である。

C 歯周治療後のポケットは、メインテナンスをしなければ、再び感染する。

治療を進めるうえで、まず、口腔内に異常に増殖した細菌を減少、抑制することが必要です。そのためには、プラークコントロール特にブラッシングを必ず続ける必要があります。さらに、専門家によるプラークコントロールとして、スケーリング、ルートプレーニングを行います。スケーリングとは、歯の表面からプラークや歯石を除去することであり、ルートプレーニングは、歯の根っこにまで浸透してしまった細菌や汚染物質を徹底的に除去し、もとどおりのつるつるした根っこにすることで、同時に治癒を得られやすい環境を作ることを目的としています。

 最後にメインテナンスの重要性について説明します。メインテナンスは、治療によって得られた口腔内の健康な状態を持続させ、再発を防止することを目的としています。具体的には、歯周ポケット内の歯周病原因菌は、処置した後12〜16週で、もとも細菌叢に戻る傾向があります。そこで、細菌の量が悪影響を起こしだす前にプロフェッショナル・コントロールを行って、歯周病の再発を予防するためにその人の歯周環境に応じたメインテナンス・プログラムの決定が必要です。

定期的なメインテナンスを有効に用いて、歯周病の進行、再発を予防していきましょう。

虫歯の予防について

〔むし歯になる条件〕

むし歯は、むし歯の原因菌とその原因菌が酸を作るのに必要な糖、そしてむし歯になりやすい歯の3つの条件が重なったときに生じます。

まず、私たちが食事をとります。そうすると、食物の中の糖質(砂糖やデンプンなど)が、歯についている歯垢とくっついて酸を出します。この酸が歯を溶かしてむし歯になっていくのです。

 歯垢・・・その正体は、歯にこびりついたネバネバにむし歯菌がくっついたものです。

口の中には、300〜400種類もの細菌がいると言われています。この中のミュータンス菌がネバネバを作るもとなのです。この菌は、歯の表面のつるつるしたところにくっつく性質があり、口の中に入ってきた「砂糖」を栄養にしてネバネバを作ります。むし歯菌はこのネバネバが大好きなのでこれがある限り離れません。ですから、歯垢は取り除かない限り増える一方です。


〔むし歯の予防〕

 1. むし歯になりやすい食べ物を摂取しない。

歯垢があっても、酸を作る原因になる食べ物(糖質)が口に入らなければむし歯は出来ません。しかし、食事をしないわけにはいかないので、むし歯が出来やすいものを避けるようにします。特にジュースなどの飲料、それも量よりも回数が問題です。飴をなめる癖や缶ジュースをいつも口にしている人はその習慣を変える以外に良い方法はありません。

 

2.歯のネバネバ(歯垢)を取る

食べ物の中の糖質が歯垢と結びつくと3分ほどで酸を出し始め、歯の表面のエナメル質が溶けやすい状態になっていきます。つまり、食事をスタートしてから3分でむし歯が作られ始めているわけです。ですから、食事をする前と後に歯磨きをして歯垢を取れば良いわけです


3.丈夫な歯をつくる

もう一つはむし歯になりにくい丈夫な歯を作ることです。小さい頃から栄養のバランスを考えた食事を心がけ、よく噛んで歯やあごを強くしておくとむし歯になりにくいのです。現代人は、いつも時間に追われているせいか、食事の時間もどんどん短くなっていく傾向にあります。その結果、早食いの人がとても多くなっています。見ているとほとんど噛んでいません。これではあごが弱くなるばかりか、唾液もほとんど出ません。とにかくよく噛んで食べることが、むし歯予防の近道です。またフッ素を応用することにより丈夫な歯を作ることができます。フッ素の応用には、歯科医院で行う、フッ素塗布・シーラントと家庭で行うフッ素入り歯磨きやフッ素入りスプレーの使用・フッ素洗口などがあります。かかりつけの歯科医院で指導してもらいましょう。
〜唾液の働き〜

1. 歯が溶けるのを防ぐ。

2. 溶けた歯を再石灰化する。

3. 抗菌作用がある。

4. 洗浄作用がある。

5. デンプンを消化する。


〔キシリトール〕

 最近、キシリトールという言葉をよく耳にするようになりましたが、もともとキシリトールとは一体なんでしょう。

 キシリトールとは、天然の樹木から抽出した甘味料です。この甘味料が、今までと異なり虫歯を抑制する効果も持っています。

 むし歯の原因である砂糖は、ミュータンス菌という細菌が歯の表面に強くくっつく糊を作り、その中で細菌が強い酸を産出するための効率の良い栄養になります。

 糊も作らず酸を作る手助けもしない甘味料が、むし歯になりにくい甘味料です。
それがキシリトールというわけです。さらにキシリトールは、ミュータンス菌の発育を抑制したり菌の表面から奪われたミネラルを戻してやる働きもあるそうです。それで、キシリトールは、むし歯の抑制効果があると考えられているのです。


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